初めのひと月は必死でした (其の一)

そんなわけでうららはわが家にやってきたのですが、お客さんのつれてきてくれた仔猫は生後2日目という、まだ猫なのか他の生き物なのかもわからないような赤ちゃんだったのです。


▲産まれて間もない頃のうらら
片手に収まってしまう小さな赤ちゃんでした

これは想定外でした。私の中では勝手に生後3か月くらいの子猫を想像していて、こんな小さな赤ちゃんとは思ってもいませんでした。

生後3か月くらいのだったらなんとか育てられるとなんの根拠もなく考えていたのですが、さすがに生後2日目というとどうしていいかわかりません。
その日からしばらくはネットのネコサイトの検索の日々が続きました。

まず始めに脅かされたのはこんな赤ちゃんネコは飼育が難しくまともに成長させられるのは半数くらいしかいない…という記事でした。
こりゃ大変な赤ちゃんを預かってしまったと思ったのですが、今さら返すこともできず、というよりこの小さな命をなんとしても守りたいという思いがふつふつと湧いてきたのです。
頭のどこかに一年前に旅立ったマックのことがあったのかもしれません。


▲まだへその緒か取れず、目も空かないうらら

とにかくネコを育てるなんてのは子どもの頃に親に内緒でコッソリとノラ猫の仔猫にご飯をあげたことがあるくらいでほぼ未経験のことであり、ましてやまだへその緒の取れていない赤ちゃんを育てるなんてまったく初めてのこと、頼るべきはネットに散在するネコ関連サイトを運営されているみなさんの見識のみでありました。

うららの授乳


▲哺乳瓶から上手にミルクを飲むうらら

サイトによると産まれたての赤ちゃんは4時間おきに授乳しなければいけないらしいのですが、あいにく私は日中仕事をしていてうららにミルクをあげることができません、したがって必然的に昼間の授乳役は妻の仕事になりました。
しかし、そのことが妻にとってもうららにとっても思ってもみなかったよい結果をもたらすことになったのです。

はっきり言ってネコはあまり好きでなかったし、花粉症持ちでもしかしたらネコアレルギーかもしれないから「ネコを飼うんだったら離婚してからにしてね」と冗談とも本気ともつかない調子で言っていた妻だったのですが、こうして毎日4時間おきにしかも1回の授乳に1時間以上、長い時は2時間もかけるという乳母役をこなしているうちにすっかりうららの保護者となっていったのです。

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